增刪卜易で読む「總斷千金賦」(17)

增刪卜易で読む「總斷千金賦」

冒頭の爻象に関する記述以後は進神退神に就いてです。分量が多いので三回に分割します。

「交」と「重」の基本的解釈として、過去から現在、或いは現在から未来といった時空列の固定的な概念は、判断に於けるルーティンワークの紛れや迷いを排除するための便法である。ただし、便法であるからこれに拘ると判断を誤る。

進神は、土爻以外は「帝旺」に化す。また、土爻は「丑」→「辰」→「未」→「戌」と進むこと前述の如し。退神は、同じ五行のまま一歩さがる。この状態を季節の移り変わりに喩えて解説している。基本的には、中期からやや長期の判断に関わる。

今回の試験のみならず、次の試験も良い結果を出す予告である。科挙のようなハイレベルな採用試験では、受験者の実力も拮抗しており、当落の予想をすることができる。実力が足りないとか、必要な努力を怠っている場合は、別の予測をしなければならないし、そもそも占卜の対象とはならない。

乱動の卦は、用神の旺衰を見極めることが重要である。この卦の場合は、世爻に用神が附いており、比較的読み易い。妻財は月建に休囚して日冲を受け、進神の空亡に化している。大成卦自体も噬嗑が比に変じている。この官鬼爻が噛み砕くべき障碍である。但し先に卦象に目が行くと読み違いを誘発するので看ないほうが良い。

乱動するにはやはり理由がある。用神を中心として、その周辺を探るように見て行くとここまでわかるということである。

これも卦の反吟の象がある。世爻のある坎が離に変ずるのは、裏の悪事が明らかになり、法に従って弾劾を受けることが表示されているが、卦象は読まないほうが良い。

旅卦の六合に化しているから必ず出逢うなどとは読まない。単純に六合卦に化しているから吉とするぐらいで良い。それでも卦象を捨てたほうが良いかもしれない。

同人は帰魂卦であるが、これを看ずに忌神の動爻が冲去される戌年と断じたのである。もとより世爻に官星が附いており、これを邪魔する子孫が除去される時が応期である。

進神退神に就いては続きます。

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