增刪卜易で読む「總斷千金賦」(18)

增刪卜易で読む「總斷千金賦」

進神退神の続き

近病は冲に逢えば癒えるとする。六冲卦の大壯に変じていることには言及がない。もとより卦象を看るまでもない。

即決の短期占に於いては、共に月建に旺じていれば退かないとする。日辰が動爻を冲しているので、その勢いは更に益す。動爻を冲すると「冲散」とするのは、衰弱の場合である。
臨の泰に之くは、月建に臨む爻が動いて旺相の進神且つ空亡に化す。その「空」が「実」になる時が応期である。子孫爻は暗動するも、丑の墓に入り無力なのであろう。或いは月建に墓に入るとするのであろうか?臨と泰は消息卦で病気が悪化し、六合卦は治癒しないことを示す、とは読まない。

「久病冲に逢えば必ず死す」といわれる。本卦の乾が六冲卦であり、之卦の父母爻が退神で日辰に臨む。これを冲する丑が応期となる。之卦の夬は押し切るとか、切り捨てる意味があり、やはり不吉であるがこれは看ない。

独静卦であるが、この唯一動かない兄弟に拘ると正確な判断ができない。この「同人の解に之く」は、同時に伏吟と反吟に化しており、非常に不吉である。しかし、これを看ずともしっかり判断ができるということである。

恐らく「近病が空に逢えば治癒する」という、いささか雑な判断でも、概ね大丈夫であろう。例によって之卦が六合卦に変じているが、やはりこれを看ていない。勿論、進退神に関する解説であるから、書籍に於ける記述スペースの都合で全部カットということであろう。

酉金は日建に対して墓に入るのであるが、月建に旺じているので生じていると看る。世爻の空亡と木爻の墓である未が暗動しているのは不気味である。

 

 

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