增刪卜易で読む「總斷千金賦」(10)

增刪卜易で読む「總斷千金賦」

太歳とは、天子の星である。

太陽は地球を支配し、月は地球の地軸を安定させ、四季を作り出し、全ての生物を育む。そして、木星は公転の際に太陽を揺さぶる。
太歳を看ることが少ないのは、平民庶人とは関りが無いからだというのが古典的な考え方である。勿論、日辰や月建のように、応期を看る場合もあるが、占卜で遠い将来を看ることについては無理が多い。ある程度の範囲にしぼるべきである。また、通常の占断に於いては、古典の記述にあるような、恐ろしい凶意を発揮することもないであろう。

卦身については、現在に於いても、求占者の本当の意図を読み切ることができるとして重宝している術者もおり、活用において研究が待たれる。

ここで解説される世爻と応爻は、例えば、恋愛占や結婚占の場合、自分と相手を同時に看るにはこれを用いる。逆に一方的に看るには、それぞれ官鬼や妻財を用いる。結婚前は世應を用いるというのは、旧社会の因習のようであるが、現代に於いても意味がある。

この占例と占断の文章にあるように、自分の都合のいいように、勝手な解釈をすれば必ず判断を誤る。この卦の場合、用神は世爻限定として、世爻が大きく傷ついているので、そこで判断を打ち切っている。

自分のことを占う場合、世爻は動かぬほうが良いとされる。しかし、動静は判断の基準ともなるのである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました