增刪卜易で読む「總斷千金賦」(5)

增刪卜易で読む「總斷千金賦」

主に冲について。刑、害が付属です。

ここでは、別本に追加されている部分を省略する。以後は注記しない。

 

六冲卦が六冲卦に変じるものは、六合卦が六合卦に変じるものと同様に、必ず同時に用神を看て判断すべきであるという。如何に卦象が重要なキーワードであっても、「卦は爻に勝てない」とするのが、近代以降の判断であり、【易冒】のように「爻は卦に勝てない」というのは武断に陥る危険がある。大成卦や小成卦を始め、各種の卦象を看るのは判断に広がりがある反面、情報の整理が散漫になることがあるため、卦象、爻象等の情報は、軽重をつけて選択しなければならない。一つのことに固執してはならないという注意は、常に繰り返し説かれる。

刑と害は、賦文や歌訣にしばしば現れるものの、刑を看ることは少なく、害に至っては、単独での判断を見かけることはほぼ無い。また、底本に掲載された刑の組み合わせは、通説と異なるものである。
刑に関しては、時として占的に応じた凶意を示すことがある。ただ、他の凶と複合することの方が多い。
害(穿)は「合處逢冲」の一形態として出現する者に、強い作用があるが、特にこれを害と称することは、あまり見かけない。害単独の凶意については、增刪卜易では削除であるが、流派によっては雰囲気的な凶を看ることがある。これも固執してはならない部分であろう。

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