增刪卜易で読む「總斷千金賦」(8)

增刪卜易で読む「總斷千金賦」

原典では、月建を先に記載しているので、月建から。

今回は千金賦本文の訳は省略する。

現在の状況では、月建を重視しない。勿論判断を簡単にするためでもあるが、月は地球に最も近い天体であり、また、応期にも関わるので完全に無視という訳にもいかない。特に、得卦中に用神が無い時の月建は応期やチャンスを強力に示す場合がある。

空亡と応期に関してはすでに論じている。この卦はそもそも不変卦であるから、月建を無視して、ここで判断を打ち切ってしまえば終わりである。この判断は、先述の再占の法を行わずに、そのまま出空を応期としているのは、次の旬が「甲寅」だからであろう。この財爻は、甲寅日に出空と同時に日辰に併起し、月建に臨む。空亡の静爻では世爻を剋さないが、併起は、合起、冲起に等しいとする説がある。

原典に於いて、傍線部分は恐らく誤りがある。ただし、月建に対しては、墓絶のみ看る場合があるため、本文では「絶」、註文では「墓」の一字で墓絶を表示しているのかもしれない。

底本には、もう一つの占例と李我平のコメントがないのであるが、ここにそのコメントのみ採録しておく。

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