增刪卜易で読む「總斷千金賦」(7)

增刪卜易で読む「總斷千金賦」

易占に用いられる十二運は、水土一体説のものである。

原典には、火の生旺墓絶が脱落しているので補っておく。

十二運の中で、応験のあるものとして挙げられる「長生、帝旺、墓、絶」以外は通常の生剋で看る。古法の「胎」や「沐浴」に就いては、占的に対して毎回看るものではないように思われる。增刪卜易では、日辰のみならず、月建に対して墓絶を看る場合がある。

「金」の生旺墓絶は、巳酉丑寅である。これが、時として判断を誤る原因となる。ここでは更に別の注意点も述べられている。旺衰と三刑に関しては、研究の余地がある。

用神が辰土というのは、辰爻自体を「自墓」とする説がある。即ち『辰』は、「土の墓」であり、「自墓」であり、且つ、辰日の値日は、これを「自刑」ともするので、世爻や用神に辰が附くのは不吉である。
占病にては、「久病は冲に逢えば、必ず死す」といわれるが、逆に近病は病気が離れるので吉兆とする。占病に就いては遠近を知らなければならないという記述も別にある。

易占に用いる十二運は、水土一体説のものであるが、「土」の扱いについては、常に論争がある。【易冒】には、八字等に用いられる陽生陰死の記述があるが、そもそも「易」は「簡易」でなければならないので水土一体を準用するのが良い。日本において火珠林の法が廃れてしまったのは、複雑そうにみえたからであろうし、日本式の断易が、易の要素を排除して、十二支のみを看るというのは、簡を貴ぶからであろう。

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