增刪卜易で読む「總斷千金賦」(1)

增刪卜易で読む「總斷千金賦」

增刪卜易の黄金策千金賦を読んでみます。古典ですから、役に立つ部分だけ取り出せれば良いと思います。

【卜筮全書】(古註)と【卜筮正宗】には、ともに理論が述べられているのであるが、古註では、米と飯の関係における、形体とその変化による譬えがあり、卜筮正宗の、それに対する反論及び解説は文章のみで、共にくどい上にわかりにくい。増刪卜易では、「動変章の解説に明らかである」とするのでここに引用する。

ここに引用された古註は、「用神が多現すると、どれを取れば良いのかわからなくなるため、一つを選択する。」と解釈すべきである。但しここでは、主事爻(用神)が多現した場合を「太過」としており、それを受けて追加の記述がなされている。卜筮正宗では、古註における以下の「不及」とともに、「その意味の取り方が浅すぎる」としているが、この增刪卜易の文章からは、剋されて整うことと、墓庫の収蔵の意のみを取るべきである。いずれにしても、この二句の解説としては、あまり適当ではない。

補足として、用神には、根基があることを条件としている。これは、例えば切り花のようなもので、枯れかかった切り花は、水を与えても復活しないようなものである。それ故に衰弱しすぎると、生扶を受ける体力がないので、これを受け付けずに凶とするのであろう。或いは、根があっても、枯れかかっていれば、回復に時間がかかるため、急に水や肥料をやれば、急に復活するというものでもない。また、用神は、卦中に出現しないこともある。その場合、これを日月に求めたり、伏神を看たりするので「浅い」と評されるのであるが、判断の方法は常に同じである。

 

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