易占での爻の選択及び爻辞の参照に就いて

雑記

易占では、多彩な立卦法と判断法が存在するが、爻辞を選択する場合、日本では三変筮を利用する。これは周易を雜占に活用してきた者の見識である。この占法は、日本で発達し、天才を多数輩出してきた。ただ残念なことに、易に対する理解が浅薄な者も出てきてしまった。中国における周易の地位は別格であり、各種の占術と分けられている。ここでは、あまり義理派か象数派かなどの事にこだわらず、このような取り方があるということを紹介してみる。

爻には爻位と爻象がある。象数派は更に十干十二支を附し、六十四卦を八宮に振り分けて五行による六親というものを割り当てる。其の他に、爻位による象徴的な利用方法も存在する。鬼谷分爻等から押し広げて、複雑な看法がある。今回は、易隱に書かれているものを少し取り上げる。

取易辞断法として、六爻安静で不変であれば、本卦の彖辞で判断する。一爻が動けば、動爻の爻辞で判断する。両爻が動けば陰爻の方を取る。陰は未来をつかさどるからである。もし両方が陰、あるいは陽であれば、上の方を取る。三爻が動けば、中の動爻を取る。四爻が動けば、下の方の静爻の爻辞を取る。五爻が動けば、静爻の爻辞を取る。六爻全て動けば、乾坤の二卦は、用九用六の辞を取り、他の卦は之卦の彖辞を取る。参考として独発は之卦の爻辞を取るとする。

これも易学啓蒙の説とは異なる。諸説紛々となるのは、中国では、周易を雜占に利用することがなかったからであろう。そもそも用九用六は爻辞ではなく、変爻の解説とする方がわかりやすいと思う。また、爻位に就いては、乾爲天卦の爻辞や、繫辭傳の記述が基本となる。

象数派は爻位の象徴を引伸し、更に独特の見方がある。家宅を看る時に利用する「宅爻人爻」もその一例で、これは応験があり、利用しやすい。古典に記載のある「怪爻」に就いては、その名称の怪しさの割に、判断例を見ない。この爻は、月によってその位置が変わることも影響しているのではないかと思う。この「怪爻」の爻位を間違えれば当然はずれるので価値がないと見做されたのかもしれない。一応ここにその位置を記しておく。

孟月は三、四爻。仲月は二、五爻。季月は初、上爻である。この爻は官鬼爻をメインとして、家宅に怪奇現象の有無と影響を看ることに利用される。判断法は、宅爻人爻等と同じである。其の他の項目の、敷地内に何が埋まっているのか、伏屍があるか等や、家に魔物がいるのか、玄武が付くと盗賊が潜んでいる等と、興味のある術者は実験してほしい。但し、象数易のメインは、卜筮正宗增刪卜易で何度も強調されるように、用神の選択と五行の生剋制化である。

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